こんにちは。ピイスケです
ウクライナ危機が始まってからというもの…
・ウクライナの人はどうなるのか?
・ロシアの人はどうなるのか?
・自分は、自分の家族はどうなってしまうのか?
・これからロシア人は世界からどう見られるのか?
・今努力をしたって報われないのでは?
・努力を重ねたところで、また戦争が起きたら全て無駄になるのか?
などなど…
人生って…本当に「不条理」に満ちてるな!!
それを嫌というほど実感する日々が続いています。
そんな折、気持ちを切り替えようと部屋の掃除をしていたら、ある一冊の本が目に留まりました。
あれは十数年前…私が大学に通っている頃の話です。
私が行っていた大学はいわゆるFラン大学と言うやつで、頭がいい学生はほとんどいませんでした。
授業をさぼって喫煙所に行ったり、モンスターハンターをやっている奴ばかりの、見た目はおっさん。精神年齢、学力は中高生のようなズレた人たちが集まっています。
私は中国留学当初と同じくその大学でもボッチ王子でしたので、幸いにも(?)狩り友に誘われることもなく、常に一人で行動をしていました。
ある日、選択の哲学の授業での事。
教授が持ってきた本が、私の心に大きく突き刺さったのです。
その本とは、アルベール・カミュの「シーシュポスの神話」でした。
シーシュポスはギリシャ神話に登場する、狡猾な王様です。
どのくらい狡猾かというと…
1 中 娘を血眼で探すその父親に対し、娘の場所を教える見返りに水の枯れない泉を作ることを要求。(事の発端はゼウス)
2 遊 告げ口する(ゼウスが悪い)
3 右 兄弟が王様になったことに腹を立てる。
4 三 恨みを晴らすためその兄弟の娘(テューロー)との間に子供を作る。
5 捕 死の神タナトスを騙す。それによって誰も死ななくなる。
6 一 自分の葬式をするなと妻に命令。
7 左 にも関わらず自分が冥界に連行された際「葬式をしない妻に復讐するために3日だけ生き返らせてくれ」という
8 二 いざ生き返ったら逃亡し、生の喜びを満喫。何年もあの世に帰らない。
9 投 召還命令や神々の怒りや警告をうけても無視。
打線が組めるくらいには狡猾です。
これだけ狡猾で、約束を破り、逃げ回るシーシュポス。
当然許されるわけがなく……
シーシュポスは神にとらえられ、罰を受けることになります。
”神々がシーシュポスに課した刑罰は、休みなく岩をころがして、ある山の頂まで運び上げるというものであったが、ひとたび山頂まで達すると、岩はそれ自体の重さでいつも転がり落ちてしまうのであった。”
アルベール・カミュ シーシュポスの神話より
神々がシーシュポスへ与えた罰は、無益で希望のない労働でした。
シーシュポスが何百、何万、何億回と岩を山の頂上に運んでも、岩は転げ落ちてしまいます。
…しかし。
シーシュポスは運んだ岩が山のふもとに転げ落ちるのを眺めたのち、山を下り…
また岩を山の頂上まで運び始めるのです…
何故?
突然ですがクイズです。
…?
実は正解は…
この中にはありません!残念!!
…
…はい、申し訳ございませんでした。
早速ですが、答えです。
何百、何万、何億回と岩を運んでも罰が終わらないことを知りながら、シーシュポスが岩を運び続ける理由…
それは…
シーシュポスが「岩を運ぶ」と決意しているから。
です。
えっ…?
意味わからん。どういう事?
なんで?
一回殴る?
皆様の頭の上にはクエスチョンマークが溢れていることでしょう。
終わらないとわかってるなら、岩を持ち上げるのをやめて、そこらへんで休んだらええやん。
そう思う人もいるかもしれません。
しかしシーシュポスは岩を運び続けるのです…。
続きです↓