こんにちは。ピイスケです
国際恋愛を経て、プロポーズが成功した後、
ほとんどの人が通る道があります。
それは…義父母への結婚挨拶です。
今回は私の体験と、国際結婚においての結婚挨拶のポイントを語っていきたいと思います。
それでは、どうぞ。
もくじ
私は中国に1年留学した後、日本へ帰り就職し…
妻は大学生として中国での暮らしを続けました。
いわゆる遠距離恋愛、それを2年ほど続け、ようやく私と妻は結婚を決意するに至ったのです。
長かった…
結婚を決めたとなれば、当然義父母に挨拶しなければなりません。
妻が卒業するタイミングで両親が中国に来るので、その際に結婚挨拶をしよう!!ということになりました。
※ロシア人では大学卒業時に結婚というのは珍しくない。
国際結婚の場合(というか義父母のお住まいが遠方の場合)、義父母とのスケジュールが合わせにくいので、結婚挨拶ができるチャンスがあれば逃さないようにしましょう。
突然ですが皆さん。
義父母(特に義父)への挨拶。どんなイメージをお持ちでしょうか。
97% 怖い(一般人)
3% 楽しい(その他クレイジーピーポー)
大体こんな感じじゃないでしょうか。
私も当然。97%の「怖い」という感情を抱いていた側の人間でした。
しかし考えてみれば…恐怖の感情の多くは対象への無理解からくるものです。
例えばセブルス・スネイプ教授。彼が恐れられていたのは、誰も彼を理解していなかったからです。
一体私は義父の何を知っているのか?
義父について前々から少しは聞いていましたが、はっきりしたイメージはありませんでした。
会う前に改めてイメージを固め、恐怖を少しでも減らしたい。
「野原ひろし」か、「さくらひろし」か、はたまた「海原雄山」なのか事前に知って心の準備をしておきたい。
そんな気持ちで妻に義父がどんな人か聞いてみました。
義父は…
・身長180センチくらい
・元物理学教師
・その後公務員になり徴税担当に
・そして今は貿易に携わっている
・お酒は一滴も飲まない
・煙草も吸わない
・趣味はドライブ、ビリヤード、映画、ジャズを聴くこと
…
この情報からわたしの脳裏に浮かんだイメージは…
ヒョードルでした。
正確に言うと、ヒョードルにロシアンフックを決められて1R(開始6秒) KOされる私のイメージでした。
映画好きということ以外に一切の共通点を見出せないということが、さらに恐怖を加速させます。
怖いよ…
相手を知ることで、結婚挨拶のシリアスさを実感しましょう。
相手についてある程度理解したら、実際に挨拶をする段取りを組みます。
いつ、どこで、どんな服装で、どんなことを話すか。
それらをを具体的にしていきます。私の場合、以下のようになりました。
いつ→妻の大学の卒業式の三日後。
どこで→個室がある静かなイタリアン料理店。
服装→白いシャツ、チノパン。革靴。(とにかく清潔を第一に。日本のトレンドが出るような服は着ない)
話題→仕事の話、相手と自分の家族の話。
上記項目の最終的な確認については外国人パートナーに確認してもらったり、義母の好みに合わせた選択をするのが良いでしょう。
そして私は中国へ飛びました。
ついにその日がやってきます。
妻に会える喜び、義父母と対面する恐怖。
複雑な気持ちだったのを覚えています。
1日目は妻の借りている家に泊まり、2日目は義父が借りてくれたホテルに泊まります。
ホテルは…ケンピンスキーホテルでした。
ゴクリ…
妻曰く、
お父さんは貿易で飛行機に乗ることが多いから、そのマイルでホテルを予約してくれたみたい。
気を遣わなくてもいいよ。
とのことでしたが…それは不可能でした。
気を遣うに決まっています。
このパフォーマンス超えるの無理だろ…
闘いは場外ですでに始まっていたようです。
そして3日目、ついに義父母と会うことになります。
当日、イタリア料理店で義父母を待つ妻と私。
私は緊張で漏らしそうになっています。
もうどうにでもなれーッ!!!
…
そこに、悠々と到着したのは…
とても優しい紳士と、美しい義母、そして妻の弟でした。
あれっ?
ロシアンフックは?(馬鹿者)
妻の前情報とは、大分違う印象です。
身長は170センチくらいだし、強面ではありますが、それ以上に優しい雰囲気が漂っています。
…ニヤニヤ
…
(妻ぁー!!!)
してやられたようです。
ただ、身長以外の情報は全て本当でした。
ここですかさず、義母に花を渡しましょう。
ロシア人男性が最も大切に思うのは自分の娘、そして妻です。義母を立てることは其れ即ち義父を立てることにつながります。花を受け取った義母はとても喜んでくれました。
つかみはOK。
それぞれが席に着くと注文を取り始めました。
そして雑談が始まります。
まずは自己紹介。
自分の名前、年齢、仕事を話します。
怒涛のポイント4連発です。
義父母は娘を溺愛し、また、娘も義父母を愛している。
そんな家庭に生まれ育った妻は毎晩義父母に電話していました。
誇張ではなく、本当に毎日です。
ここまで行かなくとも、基本的に親は娘から相手の情報を得ているものです。
つまり…嘘や背伸びは厳禁です。バレます。
稼いでる風の虚勢や、俺は賢い、有能アピール。
無駄です。
実際に稼いでいる人、実際に賢い人は勝手に雰囲気が出ます。
正直にいきましょう。
義父母がまず見ている点は…お金です。
とはいってもお金を持っているか、ではなく、稼げるか。
娘の面倒をしっかり見ることができるくらいの稼ぎを常に追っていけるか。
そこを見られます。
ロシアでは共働きは珍しくないので、別に「俺が全て稼ぐぜ」じゃなくても大丈夫ですが、会社がつぶれても、首になっても、どんな仕事をしてでも一定のお金は稼ぐぜ。
そのアピールは必要かと思います。
ともかく怠け者は駄目だということです。
ここまで、私がロシア語で義父母とやり取りをしているような書き方をしていたら申し訳ないのですが、私はロシア語を一切話せません。
義父母と話したのは、
Здравствуйте!
ズドラーストヴィチェ!
こんにちは!
Меня зовут ○○
ミニャザブート○○
私の名前は○○です。
それだけです。
その他は妻の翻訳によってコミュニケーションをしていました。
超複雑なのですが、
日本人の私が話す中国語をロシア人の妻がロシア語に翻訳して義父母に伝えていました。
意味不明でウケますね。
しかし、コミュニケーションは取れていましたし、現実にこうして私と妻は結婚しています。
これは真面目な話で、お酒は不要です。
割と日本だとお酒は「手早く打ち解けるためのツール」みたいなところがありますが、
ロシアでは「飲酒は悪癖である。」という考えが日本より強い印象があります。
ロシア人のほうがお酒を飲むでしょ?
そういう意見もあると思います。
そして、それ自体は正しいと思います。
ただ、それゆえにアルコール中毒者などが多いロシアでは、
真面目な人ほど酒との付き合い方を厳格にみるのです。
・毎日晩酌している。
・酒がなきゃうまく話せない。
などの意見は、日本とロシアでは違う印象になる事でしょう。
まぁ…とにかく結婚挨拶時には酒はなくてもいいでしょう。
相手が望むのなら少し。ぐらいでいいと思います。
全ての料理が届き、おなかがいっぱいになってきたころ…、
ついに切り出します。
結婚挨拶です。
私は手紙によって気持ちを伝えました。(これは流石にロシア語)
妻に合図し、両親に注目してもらいます。
本日はお忙しい中このような機会をいただき、心より感謝いたします。
実際にご両親にお会いしたことで、よくわかりました。
○○(妻)が優しく、美しく、強いことは、素晴らしい両親の力によるものだと。
○○をずっと幸せにします。
○○と私が結婚することをどうかお許しください。
端折っていますが、大体こんな感じの内容の手紙だったと思います。
言うまでもなく緊張しまくっていました。
ロシア人の場合、妻を褒めすぎても問題ありません。
そして結果は…
Хорошо!
OKでした。
よかった…
このような感じで、結婚挨拶は成功を収めることができたのでした。
ここまで色々なポイントを書いてきましたが、実はギュッとすると大事なことは少しだけです。
・不潔でないか。失礼でないか。
→説明不要!!
・仕事をしているか、していないか。
→説明不要!!
・できちゃった婚じゃないか。
→できちゃった弁解を結婚挨拶でしなければならない。
・娘との年齢差がありすぎないか。
→年齢が高いほど義父からの要求が高くなる。
これらを全てクリアできれば、大体の場合に結婚挨拶は成功することでしょう。
何故なら義父母は基本的には自分の娘の意見を最も尊重しているからです。
「娘が選んだ相手なんだから、信じてあげよう。」それが親の基本スタンスだからです。
年々国際結婚は増えつつあります。
結婚挨拶の様式は国ごとに違えど、基本的には
「娘とあなたたち家族と仲良く、一緒に幸せになっていきたいんです。」
その気持ちを伝えるということが最も大事なのではないかと思います。
もしあなたが国際結婚を考えているのなら、その気持ちを第一に、義父母と向き合ってみてください。
では!