【不条理】シーシュポスの神話と岡本太郎とアバッキオの死んだ元先輩【アルベールカミュ】【その3】

ピイスケ
ピイスケ

こんにちは。ピイスケです。
続きです。

前回の記事↓

前回、

「自分の意志のみをもって自分の人生を肯定していけるようシーシュポスを見習いたいですね。」

と締めましたが…

大分ざっくりしています。
どう見習えばいいのかさっぱりですね。

そもそもシーシュポスは神話の人物で、我々は現実世界の人間です。
お腹も空くし、疲れるし、「膝に爆弾」「鬱」という不条理に出くわす可能性もあります。
シーシュポスとは違う不条理に襲われる可能性があるわけです。

そんな条件が違う中で、私たちが不条理に反抗していくためにはどうすればいいのか。
シーシュポスの姿勢を現実世界でも活用できるようさらにかみ砕いて考えてみます。

シーシュポスから学べる事 その1 勇気の大事さ

みなさんC
みなさんC

シーシュポスの神話…どんな辛いことでも納得して、継続して続けていこうねって言う話でしょ?

そう受け取っている方、残念ですが誤りです。

シーシュポスは自分よりはるかに力がある神々への最大限の反発として、主体的に、自分の意志で、最も辛いであろう「岩を運ぶ」という行為を毎回選んでいます。

だから、シーシュポスは自分に誇りを持てるのです。

つまり…シーシュポスから学ぶのは…もっとも勇気がいる選択を常にすべき
ということです。
まずは勇気についてまとめてみました。

岡本太郎が考える…危険な道を取る事


「勇気」という言葉を聞いて、私が真っ先に挙げる人物…それは岡本太郎です。「芸術は爆発だ」で、有名な人ですね。

いいかい、怖かったら怖いほど、逆にそこに飛び込むんだ。

岡本太郎

私は、人生の岐路に立った時、いつも困難なほうの道を選んできた。

岡本太郎

岡本太郎は常に「危険な道をとる」ことを自分に課していたそうです。

なぜ?

こればっかりは…やったことがないと本質の理解はできないかもしれません。
岡本太郎は自己の書籍の中でこう述べています。

たとえ食えなくても本当の生き方の方向に進みたい、そう決意したいという情熱が自分をつき動かしてくる。

確かに危険を感じる。そっちへ行ったら破滅だぞ、やめろ、と一生懸命、自分の情熱にじぶんで歯止めをかけてしまう。

しかし、よく考えてみてほしい。あれかこれかという場合に、なぜ迷うのか。こうやったら食えないかもしれない、もう一方の道では誰でもが選ぶ、ちゃんと食えることが保証された安全な道だ。それなら迷うことはないはずだ。もし食うことだけを考えるなら。

そうじゃないから迷うんだ。危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ。ほんとうはそっちに進みたいんだ。

岡本太郎

皆さんの前に、いつも選んでいる道そうではない道があったときには、是非後者を選んでみてください。勇気が出てくるかもしれません。

テストステロンを利用する

テストステロンというホルモンは、勇気がいる選択をして成功した時出るそうです。
人間は勇気がある選択をすることを課されている生き物なのかもしれませんね。

勇気は魅力的だということを知る

力でもなく、お金でもなく、顔の良さとも関係ない魅力。
勇気は誰しもが発揮できる魅力です。

勇気がいる挑戦とは、成功する見込みが低いor全く成功の確率がわからないものに挑戦する。ということですが、力がない人が勝つ。ことほど人間の心を震わせるものはないと思うのです。

魅力的になるために、勇気を振り絞る。というのはありだと思います。

シーシュポスから学べる事 その2 「今に集中すること」

シーシュポスはかぎりなく悲惨な境遇に立ちながらも、その運命に抗っています。必死に岩を運ぶために必要な姿勢、不条理に抗う姿勢として「今に集中すること」が大事になってきます。

以下、荒木飛呂彦氏の漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』第5部『黄金の風』のネタバレを含みます。ジョジョを新鮮な気持ちで読みたい方は、ここから先は読んではいけない…

大丈夫な方は以下からどうぞ。

アバッキオの死んだ元先輩

「アバッキオの死んだ元先輩」…やっとここで出てきます。

『ジョジョの奇妙な冒険』第5部『黄金の風』より 死んだ元先輩

アバッキオの死んだ元先輩とは…
荒木飛呂彦氏の漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』第5部『黄金の風』に登場するキャラクター「アバッキオ」の回想シーンに登場する人物です。
↓詳しくはこちら


『ジョジョの奇妙な冒険』第5部『黄金の風』は結果と過程、ゴールと現在など、

「時間経過」がテーマとして意識されたものになっています。

主人公、ジョルノ・ジョバァーナのスタンド、ゴールドエクスペリエンスレクイエムは「永遠に結果にたどり着けなくさせる」能力。



『ジョジョの奇妙な冒険』第5部『黄金の風』より ジョルノ・ジョバァーナ

ラスボス、ディアボロのスタンド、キングクリムゾンは「過程を消し飛ばしてしまう」能力。


『ジョジョの奇妙な冒険』第5部『黄金の風』より キングクリムゾン

※ちなみにアバッキオのスタンド、ムーディー・ブルースはある者の過去の動作を再生する能力です。

この物語の中でアバッキオの死んだ元先輩はこう言っています


そうだな…わたしは「結果」だけを求めてはいない

「結果」だけを求めていると人は近道をしたがるものだ…
近道した時真実を失うかもしれない

やる気もしだいに失せていく
大切なのは「真実に向かおうとする意志」だと思っている


『ジョジョの奇妙な冒険』第5部『黄金の風』より

シーシュポスと この「先輩」には共通する所があります。それは…


現在の姿勢を最も重視している。つまり「今に集中している」所です。

結果を最も重視するのではなく、現在の姿勢を最も重視しているのです。

これを聞くとあるビジネスマンはこういうかもしれません。

ビジネスマン
ビジネスマン

「真実に向かおうとする意志」や、あきらめないで継続していたらOKなんて甘い!!
結果が出なきゃ意味ないよ!逆に…結果が出れば過程はどうだっていいんじゃないか?

一見正しいことを言っているように聞こえますが、もっと現実的に考えてみてください。

「結果」は未来の事なのです。未来の事は誰にもわかりません。

マラソンでゴールを目標にしたけど
→途中で事故に遭うかも…

年収1千万を目指して働いているけど
→途中で病気になるかも…

試験合格の為勉強しているけど
→途中で戦争が起こるかも…

などなど結果が出る前に不条理に出くわすことがあるかもしれません。

じゃあどうするのか?

「今に集中する」

それしかないのです。


途中で事故に遭うかもしれないなら…
過去事故が起こった場所を確認しておこう。保険に入っておこう。

病気になるかもしれないなら…
日々健康に良いものを食べよう。運動しよう。

途中で戦争が起こるかもしれないなら…
戦争が起こらないように自国の政治家はしっかりチェックしておこう。

「今」にしか影響を与えられない私たちは、今できる努力をするしかないのです。

モンスターA
モンスターA

でも、努力したって不条理は襲ってくるじゃないか。不条理が襲ってくるなら、努力したって意味ないよ。

そういう考えの方もいるかもしれません。

「努力したってしなくたって最後には死ぬ。」
この究極の不条理に勝つために、なお「今に集中する」ことが大事なのです。

「今に集中する」理由は?

それはとても単純で、今に集中することで過去と未来を切り捨てることができるからです。

過去の失敗、それから生まれるコンプレックスと未来の不安(試験に落ちるかも、仕事で失敗するかも)は今、全力で何かに打ちこんでいる最中は忘れることができます。

「今に集中する」と聞くと
今を全力で生きる→疲れる


ようなイメージを持たれるかもしれませんが、実は未来と過去の事を考えなくて良くなるので、精神的には楽になります。

何も努力しなかったり、打ち込みが足りなかったりすると…
→過去や未来を思い煩う暇ができて、疲れてしまうかもしれません。(今の私もそうかも…)


「努力したってしなくたって最後には死ぬ。」


なのに


死ぬという運命から逃げずに、現在の一瞬一瞬を反抗して生きられれば…。

不条理に対して勝利している。と言えるのではないでしょうか。

とはいえ全力で今を生きていたけど、不条理が襲ってきたら…

モンスターA
モンスターA

どうする?

→やる事は変わりません。今を全力で生きるだけです。 


シーシュポス的な考えで言えば、
不条理が多ければ多いほど→それに打ち克っている自分はすごい

になります。

まとめ

まとめてみると…

不条理に打ち克つ(自分の意志のみをもって自分の人生を肯定する)為には…
1.勇気がいる選択を常に行おう!
2.今に集中しよう!

ということです。

めちゃくちゃ単純なことを長ったらしく言いました。申し訳ございません。
少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。


私がブログを書くのは
・ブログを読んでくださる皆様に対して情報を発信したい
・自身に対してこれらの情報を改めて言い聞かせたい
・楽しいから
という気持ちから来ています。

言ってしまえば、ほとんど自己満足のブログです。

それでも、読んでくれる方がいるのは感謝としか言いようがありません。


拙筆ではございますが、これからも何卒宜しくお願い致します。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

次回もまた、宜しくお願い致します。

いのちを賭けて運命と対決するのだ。

そのとき、切実にぶつかるのは己自身だ。

己が最大の味方であり、また敵なのである。

岡本太郎 自分の中に毒を持て より

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